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2017年12月01日 2017年11月英国高等教育及び学術情報

(1)英国大学の願書10月締切分の内訳概要発表

 10月23日、大学入試機関(UCAS: Universities & Colleges Admissions Service)は2018/2019学事年度入学希望で10月締切分の結果を発表した。

 10月15日に締め切られた願書総数は61,440人で前年より7%(4,250人)の増加であった。締切の対象は英国内大学の医科、歯科、獣医科、医薬科およびCambridge, Oxford の全学科である。

 UCASの理事長であるClare Marchant氏は「これらの学科や大学は常に人気がある。将来に対して不透明感ある現在、英国の高等教育は英国の学生だけでなく、EUの学生や全世界的にも魅力的だということは大変うれしく思う。しかし2018年1月15日の締め切りの結果を待って英国高等教育の需要を知る必要がある。」と述べた。

 英国の学生の志願数は6%(2,530人)増加し41,970人となった。2010年以来の最高記録となる。英国では18歳の人口が減少(-3%)しているにも関わらず18歳の志願数が増えており、イングランドでは+8%、ウェールズでは+7%、合計で2,190人増加している。

 今回の締切で初志願者数は8%増し、56,020人、再志願者数は1%減り4,220人であった。

 EUからの志願者は6%(370人)増加し6,610人、昨年の9%減少から一転増加した。EU以外からの志願者は12%(1,350人)増加し12,860人であった。

 イングランドの医学系の志願者数は、19歳の初志願者の確実な人数に支えられ16%(1080人)増加し、7,770人となった。この増加は2018年からの医学部定員の500人増が影響している。

https://www.ucas.com/corporate/news-and-key-documents/news/number-applicants-october-deadline-university-courses-reaches-highest-recorded-ucas-figures-reveal

 

(2) ヨーロッパの大学指導者がEU離脱に関する早急な取り組みと明確さを要求

 10月25日、将来のヨーロッパにおける研究・連携・学生の流動性などについての議論に取り掛かるため、ヨーロッパの高等教育機関の首脳陣が英国政府に対し、離脱交渉を早めることを要求した声明に署名をしたことを伝えた。(英国大学協会(UUK: Universities UK)発表。)

 声明はヨーロッパ全土の大学や大学長会議など22の機関により発表されたもので、2019年3月に英国がEU連合を離脱後、ヨーロッパの研究、イノベーションプログラムであるホライズン2020や、交換留学プログラムであるエラスムス+の今後のあり方を明確にさせたいという意図により発表されたものである。

 研究、高等教育分野についてはEU離脱交渉の第1期の結果に従い第2期に討議される予定であったが、2017年10月20日に終了した欧州理事会サミットでは第2期を開始させるほど十分な進展がなかった。交渉の遅れは高等教育機関が直面する不透明な状態を先延ばししたことになった。

 同協会の理事長でLiverpool University のJanet Beer学長のコメント:

 我々欧州の高等教育機関は、2019年の研究・連携。交換留学について方針を決める最終段階に入っている。離脱後のホライズン2020への英国の参加に関しての早急な対応も迫られている。このプログラムからアクティブなネットワーク、優秀な人材、資金の提供を受けることで我々の研究は大きく前進した。このままではヨーロッパの研究が失速する危機がある。

 2019年も引き続き英国はエラスムス+に参加するのかしないのか、海外で勉強ができると希望を持って各国に留学したヨーロッパ中の学生が知りたがっている。エラスムス+などの海外留学プログラムは学生や大学、雇用者に大きな利益をもたらすものである。

http://www.universitiesuk.ac.uk/news/Pages/Europe%E2%80%99s-University-Leaders-Call-for-Urgent-Brexit-Clarification.aspx

 

(3)英国政府、重点ライフサイエンス分野に£1,700万(約26億円)を投資

 10月25日、英国財務省は国民保健サービス(NHS:National Health Service)と病気治療に役立つライフサイエンス分野に関する投資を発表した。これらの資金は政府の野心的な産業戦略の一環で、新薬開発とメンタルヘルス治療支援、最新の研究開発技術を臨床研究に転換させるものである。

 ライフサイエンス産業は毎年6千万人の患者に対して医療を提供しており、英国経済における重要な産業でもある。5,000社以上で約23万5千人が雇用されており、£635億(約9兆5千億円)の売上高を生み出している。

 財務大臣Philip Hammond氏は1,250人の科学者と250人のスタッフが新薬開発と将来の治療への応用に向け、最先端のバイオメディカル研究に取り組んでいる、欧州最大のバイオメディカル機関で、政府から£3,500万(約53億円)の投資を受けたフランシスクリック・インスティテュートを訪問し投資発表をした。

 投資は以下の3つの新分野に対して行われる。

  1. 低温電子顕微鏡:£500万(約7億5千万円)を、生体成分の3Dモデル作成のための最新の顕微鏡開発に充てる。これにより新薬の開発がより早く廉価にできるようになる。
  2. イノベーションハブ:£700万(約10億5千万円)を最新設備整備と研究者のための新しいラボ設立に充てる。このラボはエンジニアリング生物学、計測学および標準のための英国センターとしてイギリス国立物理学研究所(NPL: National Physical Laboratory), 国立生物学的製剤研究所(NIBSC :National Institute for Biological Standards and Control)とその他企業の共同研究の場として設立される。
  3. ビジネス促進:£500万(約7億5千万円)を、医学研究会議の“Confidence in Concept”(応用可能な基盤研究への支援プロジェクト)の商業化プロジェクトの拡大としてメンタルヘルス治療の促進に充てる。

 また、フランシスクリック、キングスカレッジ、キャンサーリサーチUKによって設立された英国企業、“GummaDelta Therapeutics” が25の新たな職を公募した。同社は今年はじめに新薬開発のため£1億(約150億円)の投資を受けている。

 英国はライフサイエンスの分野では世界を先導している。英国民は世界の総人口のたった0.9%を占めるのみであるが、世界で最も引用される論文の15.2%を占めている。この分野における研究の生産性は米国の2倍であり、ドイツの約3倍である。英国南東部(オックスフォード、ケンブリッジ、ロンドン含む)は世界的に有名なライフサイエンスクラスターとなっている。これらには世界大学ランキングのトップ20に入る4機関と、メディカルサイエンス分野において世界ランキングでトップ10に入る4つの学科と世界で最大の研究機関が含まれている。政府は、毎年20億ポンド(約3千億円)を追加支出し、支援していくこととしている。

*£1を150円にて換算

https://www.gov.uk/government/news/17-million-boost-to-the-uks-leading-life-sciences-sector

 

4)次期経済社会研究会議(ESRC)議長とUKリサーチイノベーション(UKRI)イノベーション推進理事を発表

 10月26日、Jo Johnson大学・科学担当大臣はJennifer  Rubin 教授(キングスカレッジ政策研究所所長)を次期経済社会研究会議(ESRC:Economic and Social Research Council)議長に指名した。またHarpal Kumar卿(キャンサーリサーチUK理事長)が英国研究会議(UKRI:UK Research and Innovation)のイノベーション推進理事に指名された。

 Rubin教授は2018年3月末までESRCの理事長を務め、4月1日にUKRIの設立と同時にESRCの議長となる。

 英国が研究とイノベーションの分野で世界を牽引し続けるために発足するUKRIの議長職は非常に重要なポストである。UKRIを形作る9機関それぞれに議長職が置かれるが、その役目は現在の各機関における議長と理事長双方の職務内容を果たすものになる。

 Harpal卿の新役職であるイノベーション推進理事はUKRI理事メンバーとして新しく設定され、イノベーションUKの一員としてUKRI内でのイノベーション促進と事業利益の拡大に務めることになる。

https://www.gov.uk/government/news/science-minister-announces-new-esrc-executive-chair-designate-and-ukri-innovation-champion

 

(5)英国政府、£1,500万(約23億円)を新しい工学系高等教育機関に投資

 10月26日、Jo Johnson大学・科学担当大臣は質の高い工学コースの提供に特化した新しい高等教育機関に£1,500万(約23億円)を投資することを発表した。

 次世代テクノロジー&エンジニアリング高等機関(NMiTE: New Model in Technology & Engineering)は、近年技術者の需要が急激に伸びている高度製造業やAI、サイバーセキュリティーの分野など、最先端工学分野について学ぶ大学になることを目指している。

 NMiTEは最初の入学者を2020年9月に受け入れ、次世代エンジニアの育成のために革新的な手法を採用することとしているほか、2年間短期集中コースで学位取得も目指す。

ユニークな手法として:

  • 講義ではなく実践ベースの学習プロジェクト。授業は教授と実務従事者により進められる。
  • 教育課程は事業主と共に開発する。卒業前に半年から1年の実務経験を必修とする。
  • 50:50のジェンダーバランス目標達成に向け、女子学生の受け入れを促進し女性の工学系卒業者数を増やす。
  • 多様性と社会的流動性を支えるため、奨学金受給者が学生全体の25%となることを目標とする。
  • 見習いとして業務に従事したことで高い技能を身に付けた者や軍隊除隊者等、工学系の学問のバックグラウンドを持たない者の積極的受け入れ。

 

 今回の投資は教授陣、キャンパス整備、カリキュラム開発に充てられる。NMiTEは多くのエンジニアや専門家を社会に送り出し、現在の社会における技能熟練者不足の解消に役立つことになる。

 新高等機関開設に当たっては、ワーウィック大学とQinetiQやHeinekenなどの事業主がカリキュラム開発に協力し、卒業後即雇用市場で実践できる人材の育成を目的とする。

 本計画は、生活水準を向上させ、生産性を上げることで経済成長につなげ、国全体の成長を促すという、政府の「産業戦略」の一環に基づくものである。

 工学系の卒業生数は近年急激に落ち込んでおり需要に供給が遠く及んでいない。非営利団体"エンジニアリングUK“の試算によると、年間20,000人の技術者が足りないとしている。

 今回の取り組みは、質の高い教育機関が高等教育のマーケットに参入しやすくすることで高等教育の質と競争を高めることを目的として制定された、2017年の高等教育研究法に基づいて行われるものである。

 政府は既に、若者が将来高賃金の高技術職につくための訓練が受けられるよう、£5億(約750億円)以上を投資する技術教育改革に取り組んでいる。

*£1を150円にて換算

https://www.gov.uk/government/news/multi-million-pound-funding-for-new-higher-education-provider

 

(6)英国大学協会国際部が 3年間の“Go International:Stand out” キャンペーンを立ち上げ

 11月2日,英国大学協会国際部(UUKi)は、2週間以上海外で学び、働き、若しくはボランティア活動に従事する学生数の増加を目指す、3年間の“Go International: Stand out”キャンペーンを立ち上げた。

 現在海外に出ていく学生はほんの6.6%に過ぎない。2017年4月、UUKiは政府の目標である「海外に出て行く学生の割合を2020年までに現在の2倍以上の13%にする」という目標をサポートするための活動を開始した。

 海外での経験が無い学生に比べ、海外経験のある学生の方が成績が良く、就職率も高いという調査結果が出ている。この効果は特に社会的に不利な立場にある学生に顕著に現れている。彼らの卒業後の平均収入は、海外の経験が無い学生に比べ6.1%以上多い。特に黒人については、海外経験者の無就業率は海外経験の無い者に比べ41%少なくなっている。

 海外での経験を通して得られることが期待されるスキルが、現時点では学生に十分に備わっていない。2017年に英国産業連盟(CBI:Confederation of British IndustryとPearson(教育出版社)の共同調査によると、事業主の39%が大学卒業生は国際的な感覚を十分に身に付けていないと考えており、47%が外国語力が十分でないと考えていることが明らかになった。

 また、ブリティッシュアカデミーの調査によると、中小企業の10社に7社は、将来社長になる者は外国語が話せ、また海外経験があるべきである、と考えていることがわかった。

 米国では15%、オーストラリアでは19%、ドイツでは25%の学生が海外留学の経験があり、英国は非常に立ち遅れている。しかもこれらの国々は更に学生の流動性を高めることを目指している。例えばドイツは2020年までに学生の半分が海外での経験を積むことを目標としている。

 Go International: Stand outキャンペーンでは、以下の活動を通して国家戦略をサポートしていく。

  • 各大学長にキャンペーンへの参加を促し、海外に出て行く学生数を増やすための活動に取り組んでもらう。
  • 各大学が学生の流動性を高めることに役立つリソースを開発する。
  • アカデミックや同窓会なども含めた海外留学に関するネットワークを構築する。
  • 海外留学に関する調査を実施しその効果をデータ上で示す。
  • 政府や海外機関と共に学生の海外留学の推進を支援する。

 このキャンペーンは英国政府その他関係団体から公認されているもので、すでに54大学がキャンペーン参加の意思を示している。

http://www.universitiesuk.ac.uk/International/Pages/uuki-calls-for-students-to-Go-International-Stand-Out.aspx

 

(7)英国政府、AI、ロボティクスリサーチ、スマートエナジー分野の研究に£8,400万(約126億円)を投資

11月8日、気候変動・産業担当大臣Claire Perry氏は、我々が直面する環境問題改善に役立つロボティックスやAIプロジェクト推進のため、産業戦略チャレンジ基金(ISCF: Industrial Strategy Challenge Fund)に£6,800万(約102億円)を投資することを発表した。

 この投資により、核エネルギー生成の際に発生する物質や宇宙ごみ、深海採掘などに対応するための北海の凍結深度で活動できるロボットやAIの開発に取り組むことになる。

 £約4,500万(約67億円)がマンチェスター大学、バーミンガム大学、サリー大学、及びエジンバラのヘリオットワット大学をベースにした新しいリサーチハブ設置のために使われる。

 工学・物理化学研究会議(EPSRC: Engineering and Physical Sciences Research Council)によって運営される中核的研究機関(COE: Centres of Excellence)においては、宇宙での活動や深部採掘、核エネルギーや沖合い風力など危険の多い厳しい環境でも安全に働けるロボティクス技術の開発に当たる。

 政府からの出資と共に、4つのハブは商業界や国際パートナーから約5,200万ポンド(約78億円)の支援を受けることになっており、またサリー大学のハブは英国宇宙局からの共同出資を受ける。

 またドイツで行われた気候変動会議COP23に先んじて、大臣は2件のスマートエナジーイノベーションコンペのために£1,600万(約24億円)を投資することを発表した。これは、10月に政府が決定した低炭素社会に向けた戦略“Clean Growth Strategy”の中で掲げられたクリーンテクノロジーイノベーションのために£25億(約3750億円)を投資する、という目標の一部となっている。

 これらのコンペは、ピーク時間帯の電力供給網の需要を抑え、低炭素発電の需要を増やすことで、コストと炭素排出量を減らしていくための技術開発に焦点を充てる。また、スマートエナジーシステムが学校や小規模サービス産業におけるエネルギー消費量を削減するための手法の開発にも活用される予定である。

 これらの取り組みは、今年7月に政府により発表された「Smart Systems and Flexibility Plan」に基づいて行われるものである。

*1ポンドを150円にて換算

 

 https://www.gov.uk/government/news/funding-for-84-million-for-artificial-intelligence-and-robotics-research-and-smart-energy-innovation-announced

 

(8) 教育費利益が研究費の穴埋めに。留学生一人当たり£8,000貢献

 11月9日、高等教育政策研究所(HEPI: Higher Education Policy Institute)は新しい報告書”How much is too much? Cross-subsidies from teaching to research in British universities” (著:Vicky Olive)で大学が教育で得た利益を研究費に当てている実態を指摘し、財務大臣であるPhilip Hammond氏に研究・開発費の予算の増額を呼びかけた。

 

報告書で指摘している点:

  • 研究費の赤字は£33億(約5000億円) ― 研究費収入の37%
  • 学費収入からの黒字は£13億(約2000億円)(非公的資金の教育収入の28%)
  • 研究費の13%は教育ファンドの余剰金(およそ£7ごとに£1)
  • 英国にいる留学生は平均で£8,000(120万円)、英国の研究に貢献している。
  • もし研究ファンドの増額がなければ、英国の地方都市で多大な損害が出る。
  • 保守党が掲げるGDPの3%を研究開発費に当てるという目標を達成しようとするとさらに£248億必要。

報告書での3つの推奨内容:

  • 本年度の予算で研究費として£10億(1500億円)の増資。
  • 大学/慈善団体の連携のため余分な公的資金を別に蓄えておく。
  • 政府の研究開発費に関する新しいロードマップの作成

University of Oxfordで経済学を専攻する大学院生であり、報告書の著者であるVickey Olive 氏は“教育で得た余剰金を研究に当てることで英国の大学を世界クラスに押し上げているが、大学がこれまでにないほどの危機に迫られている。政府は学生の学費を凍結をしたが、学生達はお金の使途をはっきりするように要求している。また留学生数は常に脅威である。学生が講義やセミナーで恩恵を受けていると考えているのであれば、教育から出た利益を研究に当てることは道徳的には間違いではない。しかしどの規模でこのようなことが行なわれているか、余剰金の行方を調査する権利はあり、その結果その価値や継続性などを議論できる。

 このプロジェクトを始めたときは特に隠された意思などなかったが、最終的にもっと予算が必要ということを強く確信した。より多くの民間資金、より多くの私的資金、そして明確な戦略が必要ということである。

 高等教育政策研究所の理事長であるNick Hillman氏は”研究費の不足分の穴埋めを教育費で賄っている理由として

  • 公的、私的支援金、及び慈善団体からの資金は研究・開発費をすべてカバーしていない。
  • 教育費から研究費の穴埋めは現在のレベルでは決して持続的ではない。
  • 政府は研究・開発費をGDPの約2倍とすることを目標にしているが、投入額は現状維持が精一杯という額でしかない。

戦略としてOECDレベルの研究費の増額投資を数年続けた後にドイツレベルの投資をすることである。(これは2017年の保守党の公約にも入っていた) 

http://www.hepi.ac.uk/2017/11/09/new-report-shows-international-student-pays-8000-towards-filling-gaps-uk-rd-spending-calls-philip-hammond-invest-1-billion-budget/

*1ポンドを150円にて換算

 

(9)教育評価制度(TEF:Teaching Excellence Framework)に学生は何を求めているのか?

 11月13日、英国内20を超える学生組合コンソーシアムが実施した「TEFはどのような調査内容、形態、評価であるべきか」(Teaching Excellence Framework: The Student perspective) の調査結果を発表した。国内123機関、8,994名の学生を対象に行われた。結果概要は以下のとおり。

  1. 84%の学生が、政府が教育評価を行い教育の質の向上を促す取り組みをすることを強く支持している。
  2. 多くの学生が現在TEFに含まれていない教育や学習環境に関する要素についても評価が行われていると考えていた。(IT環境:86%、図書館:93%、教育教材:94%)
  3. 学生のフィードバックが調査に活用されることを望んでいる。(教授やチューター、講師に対するフィードバック結果の活用:59%、学年末のコース全体のフィードバック結果の活用56%) 全国学生調査(NSS: National Student Survey)がTEF3では比重が半分になったことにより、学生のフィードバックはTEFにおいては重要な要素ではなくなりつつある。
  4. 大学における教育において最も重要な要素は何かという問いに対しては、「教育や教授等の質」が一番重要である、と考えており、「卒業生の就職状況」については一番低い(7番目)要素であった。
  5. 大学が質の高い教育をしているかどうかの判断要素として、リソースへのアクセスのしやすさよりも、卒業後の俸給の高さを重視する者が3倍弱であった。
  6. 68%が「学生が十分に成功できない」場合に大学は責任を追うべきであると考えており、34%が「就職率が低い」場合に大学は責任を負うべきだと考えている。また、18%が「学生が中退した」場合に大学は責任を負うべきだと考えている。
  7. 大学を「金・銀・銅」でランク付けすることに反対する学生はほんの20%であったが、60%の学生が学費の上昇とランク付けをリンクさせることに反対している。
  8. 大学が「銅」とランク付けされた場合、進学先として適切かどうか再考をする/志願しない、と答えた学生は50%に上った。
  9. 対して大学が「金」とランク付けされた場合、進学先として適切かどうか再考をする/志願しない、と答えた学生は6%であった。
  • 人種的マイノリティグループに属する学生のうち11%が、大学が「金」とランク付けされた場合、進学先として適切かどうか再考をする/志願しない、と答えた。他方白人学生で同様に回答した者は5%であった。
  • 学科レベルで同様の評価がされた場合についても、「金」とランク付けされた場合、進学先として適切かどうか再考をする/志願しない、と答えた人種的マイノリティグループと白人学生の割合は、上記と同様の結果であった。

http://wonkhe.com/wp-content/uploads/2017/11/tef-pr-research-report.pdf

 

(10)予算2017発表を前に

 11月13日、ラッセルグループの会長であるAston Muscatelli卿は11月22日の秋期財政報告書の発表に先駆けて政府に対して研究資金の増額を要求する書簡を提出した。

 書簡の中でAston Muscatelli卿は財務大臣宛に、以下を要求している。

 

・高等教育イノベーション基金(HEIF: Higher Education Innovation Funding)の増額

・英国全土の大学と企業間の知識ベースの相互交換支援のためHEIFと同様な助成金

・新しいテクノロジーが市場への参入を図るための資金

 HEIFに対して投資された£1ごとに£9.70(1455円)の利益が出ているという分析結果が出ている。Muscatelli卿はHEIFに対して毎年£2億5000万(375億円)の増額を提案している。また研究投資の影響力として品 質 関連の”QR”の資金の保護の重要性を強調した。

*1ポンドを150円にて換算

 

http://russellgroup.ac.uk/news/budget-2017/

 

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