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在英日本人研究者のネットワークづくり

●JSPSロンドン-JETROロンドン共催会議の概要

2011年1月18日、JSPSロンドン/JETROロンドン共催会議が開催された。JETROロンドンは在英日系企業研究所の交流を主目的として、「研究所長等会議」を年2回開催している。今回、JSPSロンドン在英日本人研究者会の研究者が参加する形でJSPSロンドンとJETROロンドンの共催会議となった。特に、ご自身で研究室を運営しているなどラボヘッドレベルの在英日本人研究者11名が参加した。


【共催の経緯】

2010年7月に行われた「研究所長等会議」に、在英日本人研究者のユニバーシティ・カレッジ・ロンドン大沼教授が講師として招かれ、「日本(人)の国際化と将来」をテーマに学術界と産業界の連携について講演を行った。これが契機となり、JSPSロンドンとJETROロンドンが在英日本人研究者及び在英日系企業研究所長等との交流の場を企画し、今回の共催会議に至った。


【内容】

日時: 2011年1月18日 15:00~18:30
場所: JETROロンドン
プログラム:
・JETRO舟木所長/JSPS平松センター長開会挨拶
JETROプレゼンテーション「在英日系企業の概要」(JETRO 江口次長)
JSPSプレゼンテーション「JSPSロンドン 在英日本人研究者会の概要」(JSPS 関口副センター長)
・ 在英日系企業側プレゼンテーション「東芝欧州研究所ケンブリッジ研究所のご紹介-産学連携について-」(東芝ケンブリッジ研究所 内古閑副所長)
在英日本人研究者側プレゼンテーション 「将来の人材育成のための産学連携」(ケンブリッジ大学工学部 曽我教授)
・ 質疑応答及び自由討論
・ ネットワーキングレセプション(懇親会)19:00~


当日は、35名の出席者を集めて、JSPS、JETRO両所長の主旨説明及び開催挨拶で始まった。挨拶では、今回まずはお互いの活動をよく知る場として、そして今後の連携に繋がる意見交換の場として企画した旨の説明があった。続いて、在英日系企業及び在英日本人研究者会の全体概要を把握するためのプレゼンテーションが行われた。その後、日系企業側からは、東芝ケンブリッジ研究所の内古閑副所長により、研究所の活動内容及びそこでの人材活用策などの説明があり、日本人研究者側からは、ケンブリッジ大学の曽我教授が、ケンブリッジ大学のカレッジ制度、産学連携を通じての人材育成の概要を説明しつつ、日本の人材育成の実質化に向けた問題提起を行った。質疑応答及び討議では、問題を抱える日本の現状を踏まえ、人材育成、人材活用の観点から様々な議論が展開された。例えば、若者が活躍の場を海外に見出すことについて消極的な”内向き志向”が学術界でも、産業界でも共通した傾向だが、現在の日本に、海外を経験しグローバルな視点を持った人材が活躍できるという魅力的なロールモデル、ビジョンがない。つまり、海外経験の有利性や受け皿がないことなども話し合われた。また、現在の日本の人材育成・教育が産業構造と乖離し始めている問題(制度改革の必要性)、世界がスピードを上げて変化している中、親の世代の日本の成功意識をそのまま子が引き継いでいる問題(意識改革の必要性)、などの意見もあがった。そこには、日本の文化、教育、社会構想など一筋縄ではいかない複雑な要素が存在しているが、予定の時間を大幅に過ぎて、学術界、産業界からの率直な意見交換の場となり、各参加者の今後の活動を考える意味でも有意義な議論が展開された。
    会議終了後は、ネットワーキングの場として懇親会が行われた。JSPS平松センター長の乾杯の挨拶に引き続き、参加者の自由な歓談の場となった。リラックスした雰囲気の中、「お互いをよく知る」という開催主旨のとおり、最後まで積極的に話し合う様子が見受けられた。今回の会議、懇親会を通じて、相互理解を促進させ、今後の連携、協力につながっていくようであれば幸いである。


平松センター長挨拶

 

舟木JETROロンドン所長挨拶

 


江口JETROロンドン次長 プレゼンテーション

 

関口副センター長 プレゼンテーション

 

曽我ケンブリッジ大学教授 プレゼンテーション

 

意見交換の様子

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