ZOLD英国学術情報
2014年2月17日 2014学事年度の高等教育助成金の配分について
2月10日、HEFCE ※1は、BIS ※2から送付された2014学事年度(以下、年度)における助成金の配分と優先事項を定めるグラントレターを公表した(発表時期が例年より数週間遅れた)※3。HEFCEは、BISとの間で締結する‘The Financial Memorandum’に記された条件に基づいて同省から予算を受取り、各高等教育機関及び継続教育カレッジ(以下「大学等」とする)へ配分している。グラントレターは、BISがHEFCEへの助成金額 (次年度の暫定予算も含む) を定めるとともに、当該年度の政府方針を伝えるために毎年送付される公式文書。
新制度施行3年目にあたる2014年度は、引き続き助成金の総額は減額となるものの、高等教育の経済と社会への貢献度は非常に大きいため、教育・研究にかかる一部資金を増額するなど教育の質を維持するための予算措置を行うとともに、この方向での指示を出している。
グラントレターのポイントは以下のとおり。
(1)助成金削減
2014年予算では助成金が減額されるが、2015年度以降もこの傾向は続き、今後は更に授業料収入への依存度を高める
(2) 特段の配慮を要する項目
・STEM ※4を含む費用のかかる科目群、小規模かつ専門的な機関を可能な限り保護
・Student Opportunity allocation※5を使って学生数の増加を促進
(3)Impact Agenda ※6の実現
引き続き、Research Council UK(英国研究会議)や他機関と協同して、国際的に評価される研究を支援し、impact agendaの実現を志向
(4)研究助成金
予算額は2013年度と同レベルの£15億7300万を維持
(5)資本形成予算
£4億4,000万に増加
(6)Autumn Statementで示された学生定員撤廃の方針を確認
2015学事年度の学生定員廃止(2014学事年度は最大3万人の学生数増)に向けて、高等教育が学生に供給する教育の質を維持できるよう努力
(7)Access to Learning Fund ※7の廃止
【表1】BISからHEFCEへの助成金配分額 (単位:百万£)
|
|
2013年度 |
2014年度 |
2015年度 (暫定) |
|
教育助成金 |
2,861 |
1,915 |
1,669 |
|
研究助成金 |
1,573 |
1,573 |
1,573 |
|
高等教育イノベーション基金 |
113 |
113 |
113 |
|
小計 |
4,547 |
3,601 |
3,355 |
(追加予算)
|
Access to Learning Fund |
37 |
-- |
-- |
|
National Scholarship Programme Postgraduate Provision |
100 -- |
50 -- |
-- 50 |
|
小計 |
137 |
50 |
50 |
(資本形成予算)
|
教育資本形成資金 |
79 |
154 |
300 |
|
研究資本形成資金 |
251 |
286 |
303 |
|
小計 |
330 |
440 |
603 |
(授業料収入)
|
授業料収入(予想額) |
5,600 |
7,000 |
8,200 |
|
合計 |
10,600 |
11,100 |
12,200 |
HEFCEは2月25日に開催予定の会議においてBISからの指示を検討し、各大学等への配分額を3月27日に発表する予定。
なお、本件に関しては各機関が反応を示し、メディアによる報道も行われている。
【HEFCE関連URL】
http://www.hefce.ac.uk/news/newsarchive/2014/news85409.html
http://www.hefce.ac.uk/media/hefce/content/news/news/2014/grantletter/grant_letter_2014.pdf
【Russell Groupの反応】
【UUKの反応】
http://www.universitiesuk.ac.uk/highereducation/Pages/ResponseToFundingLetter.aspx#.Uvnu27CYYdU
【RCUKの反応】
http://www.rcuk.ac.uk/media/news/140210/
【OFFAの反応】
【メディア報道】
・Times Higher Education
Government grant letter delivers cut to university funding
政府はグラントレターにて高等教育への助成金を£1億2,500万削減すると発表
※1 Department for Business Innovation and Skills:ビジネス・イノベーション・技能省
※2 Higher Education Funding Council for England:イングランド高等教育財政会議 イングランドの大学等に基盤的経費(教育資金及び研究資金)の配分などを行う機関
※3 http://www.hefce.ac.uk/news/newsarchive/2014/news85409.html
※4 Science(科学), Technology(技術), Engineering(エンジニア) and Mathematics(数学)
※5 社会的不利な立場(貧困など)にある学生を支援するための割り当て資金
※6 研究の質を高め、確実に結果を出せるような研究にのみ予算を使うようにするという達成目標
※7 生活に困難が生じた学生に対して財政的な支援を行うことを目的とするファンド
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