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UK HE Information

2024年4月英国高等教育及び学術情報

2024年5月22日

(1) 英国―米国間のAI安全性に関する科学的な提携を発表

(2) 新しい数理学系の国立アカデミーの展開進行中

(3) 高等教育機関データ:ビジネスと地域社会との交流 2022/23年度版

(4) 戦略的優先事項助成金の2024/25学事年度の資金調達が決定

(5) 報告書総集編 “どのように学位号の資金提供をするべきか

(6) ホライズン・ヨーロッパ協定にもかかわらず、最新の欧州研究会議の英国からの受賞者は移住を強いられる

(7) デザイン・ミュージアムが独立研究機関となる。

(8) AIの安全サミットで合意されてたブレッチリー宣言より英国―韓国間の関係を深める

(9) 英国の熟練労働者ビザの収入条件の上昇で外国人労働者の渡英を思いとどまらせる

(10) 学術リーダーの心配事

(11) 英国政府は高等教育支出を約束破り

(12) オープンアクセスの書籍に対して大学からの更なる支援が必要

(13) Horizon Europeとのコラボレーションを促進のためHorizon Europe Pump Priming collaboration 資金を授与

(14) 大学学長らは治安局のCOBRA会議で敵対国家に関する説明を受けることになる

(15) 英国学士院会長はクリエイティブ産業の研究開発を支援する助言に対する政府の対応を歓迎

(16) 科学省、科学技術超大国の使命の推進のためリーダーシップチームを強化

(17) 英国、津波・地震検知向上のためデンマークとの研究協定とニュージーランドとの提携に合意

(18) 人々・文化・環境の指標ワークショップ参加受付中

(19) Alan Turing Instituteに対する次段階形成のレビューが発表

(20) 大学中退者対策に新しい試みが必要である理由

(21) 英国、防衛研究開発への大幅な転換を発表

(22) 政府は英国の大学を安全保障に対する脅威から守るための新しい協議を開始

(23) 政府研究開発支出はOECD加盟国に遅れを取っている。NCUBのCEOからの指摘

記事の詳細は「次を読む」からお読みいただけます。

(1) 英国―米国間のAI安全性に関する科学的な提携を発表

2024年4月1日、英国と米国は昨年英国で11月に開催されたAI安全サミットを開催し、その翌日最先端のAIモデルテストを共同で開発する覚書に調印した。これはAI技術の進歩における潜在的なリスクに対処するための研究、開発、政策の推進を目的としている。両国はAIが社会や経済および影響に対して協力し、技術の安全性、透明性、信頼性を高める取り組みの強化を約束した。

【記事全文(英語)】

GOV.UK 科学、イノベーション、テクノロジー省(Department for Science, Innovation and Technology: DSIT):

https://www.gov.uk/government/news/uk-united-states-announce-partnership-on-science-of-ai-safety

 

(2) 新しい数理学系の国立アカデミーの展開進行中

2024年4月4日 2023年初頭に首相は教育における数理学を強化することを約束。“18歳までの数学の誓約”としてデジタル化や数値化が進む世界において次世代に対して計算力、分析スキルの向上を目指す。2023年秋の予算発表の際に国立数理科学アカデミーの創立を発表。既存の4つのアカデミー(British Academy, the Academy of Medical Sciences, the Royal Society, and the Royal Society of Engineering)と並ぶ組織になる。数学科学の分野での卓越性を推進し、研究、教育、および産業への応用を促進することを目指している。

 【記事全文(英語)】

国立大学産業センター(National Centre for Universities and Business: NCUB):

https://www.ncub.co.uk/insight/development-of-new-national-academy-for-the-mathematical-sciences-underway/

(3) 高等教育機関データ:ビジネスと地域社会との交流 2022/23年度版

2024年4月4日、2022/23年度の高等教育機関の経済的関与のデータでは165社が新たなスピンオフ企業を設立し、5000社近くの学生による新規起業が見込まれている。同時期に高等教育機関は1938件の特許を出願。さらに4276件の特許で高等教育機関の名前がある、もしくは職員を発明家とする外部団体によって提出されている。

契約研究からの収入は2021/22年度の16億ポンドから2022/23年度は17億ポンドに増加したが、公的資産を伴う共同研究の収入は19億ポンドから18億ポンドに減少した。

 【記事全文(英語)】

高等教育統計局(Higher Education Statistics Agency: HESA):

https://www.hesa.ac.uk/news/04-04-2024/he-provider-data-business-and-community-interaction-202223

 

(4) 戦略的優先事項助成金の2024/25学事年度の資金調達が決定

2024年4月4日、学生局(OfS)は高等教育担当大臣より2024/25年度戦略優先助成金ガイダンスを受けた。OfSは教育省が定めた条件に則り、資金を大学、カレッジなどに分配する。資金は高額な学科、学生のメンタルヘルスなど優先分野のサポートの利用される。2024/25学事年度ではOfSの分配予算額が14億5600万ポンド。2022年3月には2022/23度年から2024/25年度の3年間の間に4億5000万ポンドが施設と建物に提供される資金予算もある。

【記事全文(英語)】

学生局(Office for Students: OfS):

https://www.officeforstudents.org.uk/news-blog-and-events/press-and-media/strategic-priorities-grant-sets-out-funding-for-2024-25/

 関連記事

2024年4月4日、教育大臣であるGillian Keegan氏はイングランドの大学の演劇とクリエイティブアーツのコースへの資金削減を発表した。批評家からはこの動きはクリエイティブ産業の育成の障害になる可能性を懸念している。Keegan氏はOfSに対して、音楽、演劇、ファッション、その他芸術コースの学部生に提供する追加資金を賄うための助成金を凍結し、それらの学科の大学院教育の助成金を削減するように求めた。政府は学生が就職しやすい分野への投資促進しているというが、クリエイティブ産業の重要性と影響について議論が起こっている。また、恵まれない環境などからの学生に対する大学進学拡大プログラムも削減対象となった。これによりおよそ4万人の若者が高等教育のアドバイスとサポートの道が断たれることになると指摘されている。いずれにしろ、パフォーミングアーツやクリエイティブアーツのコースに対する資金削減は、英国のクリエイティブ産業と教育に大きな影響を与えることが懸念される。

【記事全文(英語)】

Guardian 紙:

https://www.theguardian.com/education/2024/apr/04/ministers-to-cut-funding-for-performing-and-creative-arts-courses-in-england

 

(5) 報告書総集編 “どのように学位号の資金提供をするべきか

2024年4月11日、HEPIは“How should Undergraduate Degree be Funded?” という報告書の総集編を発表。新しい資金調達モデルの検討がされている。その結果として、①学費を廃止すると1学年あたり105億ポンドの公的資金負担が発生し、大学に志願する学生の割合はわずかしか増加しないと予想。②大学進学希望者に提案されている最も人気のあるモデルは雇用者が高等教育資金として大学院生の給与の数パーセントを支払う大学院納付金である。➂大学進学希望は大学に願書を提出する際に他の都市に移り住む費用に関して注意深く考慮している。④大学進学者希望の半分はインフレで学費が値上がりしたら、進学をしないと考えている。

【記事全文(英語)】

高等教育政策研究所(Higher Education Policy Institute: HEPI):

https://www.hepi.ac.uk/2024/04/11/how-should-undergraduate-degrees-be-funded-a-collection-of-essays-2/ 

関連記事:

2024年4月11日、現行の英国での教育制度は国により異なる負担が強いられており、留学生の大きな依存が課題になる可能性の警告、次期選挙戦に向けて議論の活性化は重要だが、政治家はこの問題を避けている。

【記事全文(英語)】

Pie News:

https://thepienews.com/news/new-funding-models-explored-as-uk-heis-running-out-of-road/#:~:text=Within%20it%2C%20suggested%20funding%20models,as%20a%20graduate%20employer%20levy.

 

(6) ホライズン・ヨーロッパ協定にもかかわらず、最新の欧州研究会議の英国からの受賞者は移住を強いられる

2024年4月11日、ERCのAdvanced Grantの受賞者225件が発表され、英国は42件の受賞者でドイツに次ぐ受賞数であった。しかし今回の助成金は2023年のプログラムであり、英国とEUが昨年9月に締結したものは対象ではない。つまり英国を拠点とする受賞者は英国の留まる場合ERCの助成金対象ではなく、EUまたはホライズン・ヨーロッパに関連する国に移住する場合のみ対象となる。英国に留まる場合は英国のバックアップ補助金の利用が可能。

【記事全文(英語)】

Science Business:

https://sciencebusiness.net/news/european-research-council/latest-uk-grant-winners-must-emigrate-take-european-research-council

 

(7) デザイン・ミュージアムが独立研究機関となる

2024年4月11日、芸術・人文科学研究会議(AHRC)はDesign Museumに対して独立研究機関(IRO)の地位を与えた。これにより大学と同等の立場となった。IROとは①研究を実施する既存の量力がある。②研究プログラムを実施し、主導し独立して能力を実証できる機関に与えられている。Design Museumは歴史的な収集品を研究するよりもデザインが形成に具体的な役割を果たしている現代の風景を理解することに基づいている。この認定を受けたほかの文化施設としてVictoria and Albert Museum (V&A), Tate, Royal Shakespeare Company などがある。

【記事全文(英語)】

UK リサーチ・イノベーション(UK Research and Innovation: UKRI)

https://www.ukri.org/news/the-design-museum-awarded-independent-research-organisation-status/

 

(8) AIの安全サミットで合意されてたブレッチリー宣言より英国―韓国間の関係を深める

2024年4月12日、政府は5月21、22日にAI Seoul Summitが韓国のソウルで開催されることを発表した。このサミットでは安全性に関して議論を行い、最新のAIモデルの潜在的な能力に焦点があてられる。開発者がAIの安全性に関する取り組みの議論を行う。これは昨年11月に英国で開催されたAIの安全サミットで合意されてたブレッチリー宣言を基に、英国と韓国間の関係を深めるものとなり、1日目では英国首相Rishi Sunak氏と韓国の大統領であるYoon Suk Yeol氏がバーチャルリーダーセッションで共同議長を務める予定である。

 【記事全文(英語)】

GOV.UK 科学、イノベーション、テクノロジー省(Department for Science, Innovation and Technology: DSIT):

https://www.gov.uk/government/news/uk-and-republic-of-korea-to-build-on-legacy-of-bletchley-park

 

(9) 英国の熟練労働者ビザの収入条件の上昇で外国人労働者の渡英を思いとどまらせる

2024年4月12日、新しい給与基準が英国で導入され、留学生の定住に影響があると懸念されている。4月4日に熟練労働者ビザの一般給与基準が38,700ポンドに引き上げられ、4月11日には家族ビザのスポンサーシップ基準が年間少なくとも29,000ポンドに引き上げられた。この変更により、留学生の卒業生ががビザを取得するのが難しくなるだけでなく、雇用者も増加した給与要件に対処する必要が生じる。給与の引き上げにより、英国でのキャリア開始に影響が出る可能性があり、留学生の卒業生が配偶者を連れてくる際にも困難が生じる可能性がある。

政策により給与のインフレや国際人材の採用が難しくなる可能性があり、政策の影響を監視し、必要に応じて介入することが重要。

【記事全文(英語)】

Pie news:

https://thepienews.com/news/worries-skilled-worker-visa/

 

 (10) 学術リーダーの心配事

2024年4月12日、HEPIが主催した討論会で世界中からの大学指導者や資金提供者の現在の懸念事項が議論された。主な課題として、資金確保、教育と研究の卓越した質の維持、社会、健康、環境への影響の実証、優秀な職員の確保と維持、社会的公平性の達成であった。今後もその解決には困難が予想される。また将来的な課題としてAIや気候変動も指摘されたがリーダーたちの間ではその対応の準備に関してそれぞれ大きな隔たりが感じられた。

英国の高等教育が直面する問題として資金や研究インフラの持続可能性、優秀な人材の確保と維持の困難さが強調された。一方で海外からのリーダーたちも同様な問題に直面していることもわかり連帯感を感じた。課題の対策として大学の財政問題の解決策や目標を具体的に提示し、政府との連帯の強化をすることが求められる。教育と研究を切り離してとして考えられることの危険性が指摘され、より統合された方法が必要である。またコミュニケーションと協力が重要で、共通問題の対応のため国際的な視点を取り入れることが強調された。

【記事全文(英語)】

高等教育政策研究所(Higher Education Policy Institute: HEPI):

https://www.hepi.ac.uk/2024/04/12/what-keeps-academic-leaders-and-funders-awake-at-night/

 

(11) 英国政府は高等教育支出を約束破り

2024年4月15日、政府は、2022年から2025年の間に戦略的優先助成金を通じて英国の高等教育に追加で3億ポンドを投資するという約束を数千万ポンドも下回っている。

英国政府は高等教育機関への支出において約束を守っていない。政府は2022年から2025年の間に56億ポンドの支出を約束していたが、実際の支出は最大で8億ポンド未満であった。これで大学や教育機関は予算不足に直面することになり、教育の質や研究活動への影響が懸念される。政府は支出の不足を補うため、努力をする必要がある。

【記事全文(英語)】

Research Professional News:

https://www.researchprofessionalnews.com/rr-news-uk-politics-2024-4-uk-government-breaks-higher-education-spending-promise/

 

(12) オープンアクセスの書籍に対して大学からの更なる支援が必要

2024年4月17日REF2029のオープンアクセス政策に関する協議が先日開始され、書籍を含める提案に対して研究者からの批判が殺到した。その懸念は出版費用の負担や著作件収入の損失などに関連し、大学からのさらなる支援が必要だと指摘されている。これは、研究を一般に公開しやすくするオープンアクセスの原則を書籍にも適用するものである。協議では、オープンアクセスの方針を拡大して書籍を含めることで、学術界と一般の読者の双方に利益をもたらす可能性があるとしている。しかし、大学がこの取り組みにどのように対応し、支援を提供するかが課題となる。しかしすでに解決策はあり、図書館の会員プログラムを通じてダイアモンド・オープン・アクセス・モデルを提供し、著者や機関の費用負担の軽減をしている。またオープンアクセスの書籍はハードコピーの販売妨げずに、より多くが利用されている。大学のリーダーたちがオープンアクセスの書籍に対して積極的に投資し、著者に新規の購読者を探る可能性を提供する必要がある。又著者負担型から転換をするためにダイアモンドモデルの実行可能性を証明する必要がある。

【記事全文(英語)】

Research Professional News:

https://www.researchprofessionalnews.com/rr-news-uk-views-of-the-uk-2024-april-open-access-books-need-more-support-from-universities/

 

(13) Horizon Europeとのコラボレーションを促進のためHorizon Europe Pump Priming collaboration 資金を授与

2024年4月18日、英国学士院は、Horizon Europeとのコラボレーションを促進するために、2024年のHorizon Europe Pump Priming collaboration 資金の受賞者を発表した。この資金は、英国とヨーロッパの研究者間の協力をサポートし、共通の研究プロジェクトを開発するための初期資金として提供される。これにより、英国の研究者がヨーロッパの研究者と連携しやすくなり、革新的な研究や知識の共有が進むことが期待される。合計63人の研究者に601,799ポンドが授与された。助成金は最大10,000ポンドでHorizon Europe のPillar 2の下で共同研究活動を開発し、そのアイディアに基づいて申請を行うことを目的としている。このスキームにすべての学術分野(人文学、社会科学、STEM)からも募集しHorizon Europe の資金の受けたことがない研究者からの募集に努力が向けられた。その結果全体の40%が初めてEUのプログラムに参加する研究者、40%が若手の研究者に授与され。助成金は実現可能性の調査、申請のアドバイスと訓練、パートナーシップの構築、申請の進展のための専門リソースなど様々な方法で活用された。

【記事全文(英語)】

British Academy:

https://www.thebritishacademy.ac.uk/news/the-british-academy-awards-horizon-europe-pump-priming-collaboration-funding-to-develop-horizon-europe-collaborations/

 

(14) 大学学長らは治安局のCOBRA会議で敵対国家に関する説明を受けることになる

2024年4月18日英国の副首相であるOliver Dowden氏は中国との関係について、英国の大学との関係性を懸念している。Dowden氏は、英国の大学が中国と密接な関係を持つことが国家安全保障に影響を与える可能性があると指摘した。また、彼は安全保障上の懸念に対処するための取り組みとして、COBRA会議を開催する予定。この問題は、国際的な関係と国内の学術機関の間でのバランスを取る必要性を示している。

【記事全文(英語)】

Independent:

https://www.independent.co.uk/news/uk/oliver-dowden-china-university-cobra-b2530934.html

 

(15) 英国学士院会長はクリエイティブ産業の研究開発を支援する助言に対する政府の対応を歓迎

2024年4月22日、英国学士院(BA)の会長であるJulia Black教授は政府のクリエイティブ産業における研究開発(R&D)を支援するための政府案に対し歓迎の意を示した。報告書は、創造産業の成長を促進するために6つの推奨事項を提案している。また、クリエイティブ産業のR&D活動をよりよく捉えるために国民統計局が進行中の活動調査を行い、さらに政府は英国の文化財産を保護し、デジタル技術を活用して国のコレクションへの公衆アクセスを拡大するための取り組みを支援する。一方、知的財産庁はAI企業に対する著作権基準や規制に関するガイダンスを明確に設定できなかったことを遺憾とし、政府はクリエイターとAI開発者の利益のバランスを取るための規制を緊急に開発する必要がある。クリエイティブ産業の成功には、芸術、人文社会科学の卒業生のスキルに大きく依存しているため、Black教授は政府にこれらの重要な学問分野の提供を健康的に維持することを求めた。

【記事全文(英語)】

英国学士院(British Academy):

https://www.thebritishacademy.ac.uk/news/president-of-the-british-academy-welcomes-governments-response-to-recommendations-to-support-research-and-development-in-the-creative-industries/

 

 (16) 科学省、科学技術超大国の使命の推進のためリーダーシップチームを強化

2024年4月23日科学省は英国の科学技術大国取り組みを監督する専門家をリーダーを任命した。Christopher Johnson 教授を主任科学顧問に、また新たに非執行役員としてDominic Field氏とLiz Cohen氏を任命した。Johnson 教授は国家技術顧問であるDavid Smith博士のチームの一員として活動し、政府主席科学顧問であるDame Angela McLean教授とのリーダーシップの元で、他の省庁の首席科学アドバイザーと協力する。DSITは初年度でR&Dへの投資を194億ポンドに増やし、今年は200億ポンドに到達している。これで英国の未来を明るくし、経済を成長させ、機会を提供し、長期的な変化をもたらすと期待されている。

【記事全文(英語)】

GOV.UK 科学、イノベーション、テクノロジー省(Department for Science, Innovation and Technology: DSIT):

https://www.gov.uk/government/news/dsit-bolsters-its-leadership-team-to-drive-uks-science-and-tech-superpower-mission

 

(17) 英国、津波・地震検知向上のためデンマークとの研究協定とニュージーランドとの提携に合意

2024年4月23日、英国がデンマークとニュージーランド間で科学技術協力の取り組みを強化し、津波・地震の早期警報システムの向上に取り組むことを発表。特に英国とニュージーランドの研究者が協力し、既存の海底ファイバーケーブルを利用し地震や海流の検知をする技術を試みる。これで太平洋地域の津波対策に役立ち、人命を救を可能性がある。また英国とデンマークは量子技術のパートナーシップ強化の覚書をパリで署名する。これは科技術の発展を通じて国際的な提携の許可とともに生活の質の向上に役立つことになる。

【記事全文(英語)】

GOV.UK 科学、イノベーション、テクノロジー省(Department for Science, Innovation and Technology: DSIT):

https://www.gov.uk/government/news/uk-agrees-research-deal-with-denmark-and-partnership-with-new-zealand-to-improve-tsunami-and-earthquake-detection

(18) 人々・文化・環境の指標ワークショップ参加受付中

2024年4月23日次回REF2029における、”人々・文化・環境”要素の評価のための指標を共同開発するワークショップへの参加申請が可能となった。このワークショップは2024年5月から10月の間に開催し、パイロットプロジェクトとして同年11月から翌年2月末まで行う。その後評価期間として2025年3月中旬から6月末まで実施され、結果は6月に発表予定。パイロットのPCEのパネルの申請工程は5月に開始し、日程の再調整をすることで影響を最小限に抑えるようになっている。

【記事全文(英語)】

REF2029:

https://www.ref.ac.uk/news/expressions-of-interest-now-open-for-people-culture-and-environment-indicators-workshops/

 

(19) Alan Turing Instituteに対する次段階形成のレビューが発表

2024年4月24日UK リサーチ・イノベーション(UKRI)よりAlan Turing Instituteのレビューが発表された。同研究所は 英国の国家データ科学・AI研究機関であり、その影響と価値に関する新しいレビューである。これは研究所の成功を基に次の段階に進むための勧告としている。5年ごとに独立した専門家のパネルによるレビューはEPSRCと同研究所に助言された。その中でUKRIが研究所が持続的な基本資金を提供することの重要性が指摘され、その役割として利益を最大化するための運営方法に関して勧告されている。また最近1億ポンドの投資が発表され、健康・環境・持続可能性・防衛と国家安全保障の分野で国内外の課題に取り組むことが強調されている。さらに同研究所はAIとデータ科学のスキルを構築し、情報に基づく公共の議論の推進する戦略もあげられている。

【記事全文(英語)】

UK リサーチ・イノベーション(UK Research and Innovation: UKRI):

https://www.ukri.org/news/review-to-shape-next-phase-of-the-alan-turing-institute/

 

(20) 大学中退者対策に新しい試みが必要である理由

2024年4月25日高等教政策研究所(HEPI)は、大学の中退に関する新たな報告書を発表。先進国の中で英国は最も中退率が低い。(アイルランドが2位)。その原因として歴史的に入学時の水準の高さ、学部学位取得の期間の短さにより、人生の節目となる出来事を中断することが少ないことである。中退率はCovid-19の最大に流行した時期は若干低下し、その後上昇したが、最新のデータ(実験的)では現在また低下しており、Covid-19の流行前のレベルには戻っていない。また学生の特性、コースや大学、学習目的により異なり、人種、性別、年齢、無料給食を受給者、又障害を持つ学生の間では高い。その政策として、①進学希望者に対する情報提供の強化。➁学生の生活費により注目し、生活補助の実質的な価値の低下させない。③ビックデータを活用しリスクのある学生に個別の支援提供。④中退理由把握のため、大学と中退希望者と面談を行う。⑤段階的な資格所得を導入し、目標資格を完了しなかった学生に対しても学術単位として労働市場において再学習として利用ができるようにする。

https://www.hepi.ac.uk/2024/04/25/why-a-fresh-approach-is-needed-for-university-drop-out-rates/

 

(21) 英国、防衛研究開発への大幅な転換を発表

2024年4月25日英国は増加する防衛予算の最低7%をR&D及び軍事関連の科学技術に充てる計画を立てており、2030年までに支出を倍増させる可能性がある。首相のRishi Sunak氏は2030年代末までに防衛支出をGDPの2.5%に引き上げる計画を発表。ロシア、イラン、中国などの”独裁国家の軸“の対抗のための追加予算で75億ポンド相当となる。来年から防衛予算で少なくとも5%はR&Dに充て、さらに2%は”有望な科学技術の軍事能力への活用“とする。現在防衛省は予算の約3.9%をR&Dに費やしており年間20億5000万ポンドに相当する。さらに政府は2025年初めに防衛イノベーション・エージェンシーを設立する予定である。これは新技術の採用と中規模契約の締結、民間企業への投資を通じて防衛イノベーション効率化を図ることになる。ただ時期総選挙では現政権の保守党が敗退する可能性が高く、野党労働党は防衛支出計画に関して明確な立場を示していない。つまり選挙後に大規模な予算見直しが予想されるため、今回の発表はあまり意味があるものではないという見方も出ている。

【記事全文(英語)】

Science Business

https://sciencebusiness.net/news/dual-use/uk-sets-out-major-pivot-defence-rd

 

(22) 政府は英国の大学を安全保障に対する脅威から守るための新しい協議を開始

2024年4月26日、副首相のOliver Dowden氏は外国の政府からの国家安全保障の脅威から英国の大学を保護するための措置に関する協議の開始をする意向を発表した。この協議では敏感な研究分野で開発中の先端技術を保護し、知的財産の盗用を防止することを目的とする。具体的な措置として、大学内の主要な人員への安全検査の拡大や研究セキュリティの強化のための資金調達、研究セキュリティ実践者のための新しく職業上基準を設けることが含まれている。国家保護安全保障局National Protective Security Agency:NPSA) 国家サイバーセキュリティセンター(National Cyber Security Centre:NCSC)は国際研究協力に対して適切な判断をするために大学を支援する”Trusted Research Evaluation Framework:TREF)を最近導入した。TREFは研究機関が自らの研究の安全性を7つの活動分野(上層部の承認とガバナンス、コミュニケーション、トレーニング、組織的なリスクと提携、人材と工程とガイダンス、データと機器及び影響評価)で評価できるよう支援することを目的している。

【記事全文(英語)】

GOV.UK 科学、イノベーション、テクノロジー省(Department for Science, Innovation and Technology: DSIT):

https://www.gov.uk/government/news/government-to-launch-new-consultation-to-protect-uk-universities-from-security-threats

 

(23) 政府研究開発支出はOECD加盟国に遅れを取っている。NCUBのCEOからの指摘

2024年4月30日、英国の政府によるR&D支出は2022年に3.4%増加し、14.98億ポンドから15.49億ポンドになったが、これはほかのOECD諸国と比べて大幅に低い成長率である。NCUBのCEOであるJoe Marshall博士はOECD諸国の平均の6%の成長率に遅れを取っていることを警告をした。また英国民間R&D投資は0.4%減少しており、OECDの平均5%増とは対照的である。同博士は英国がR&Dの潜在力を最大限に活用するためには革新と協力を促進する環境を作ることが重要であると述べている。

Office for National Statistics : Research and Development expenditure by the UK government: 2022: https://www.ons.gov.uk/economy/governmentpublicsectorandtaxes/researchanddevelopmentexpenditure/bulletins/ukgovernmentexpenditureonscienceengineeringandtechnology/2022

【記事全文(英語)】

国立大学産業センター(National Centre for Universities and Business:NCUB)

https://www.ncub.co.uk/insight/government-rd-spending-lags-behind-oecd-competitors-says-ncub/