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UK HE Information

2023年11月英国高等教育及び学術情報

2024年3月11日

(1) 学生局(OfS)、大学院AI大学院コンバージョン・コースに810万ポンドの助成を発表、卒業生の多様性増加の有望な兆候を評価で発見

(2) 首相、新しいAI安全研究所の設立を発表

(3) 反組合法により、公正な賃金と労働条件を求める大学職員のストライキが阻止される

(4) REF2021のインパクト事例のデータ強化と分析

(5) 高技能職のロンドンへの集中は、他の地域の卒業生が教育を十分に活用できないことを意味する

(6) 首相が内閣人事改造を行う中、教育大臣が辞任

(7) 英国の大学は留学生を確保するために数百ポンドをエージェントに支払っている

(8) 大学のスピンアウトに関する独立レビューが発表される

(9) 最大規模の年次調査が大学院研究者の満足度に注目

(10)財務大臣の2023年秋期財政報告書(Autumn Statement)は、科学、イノベーション、技術を支持

(11) 高等教育機関における人材の定着に関して議論が必要

(12)大学院座学学生の満足度はこの8年間で最高を記録

(13)英国高等教育機関データ:財務-2022/23学事年度オープンデータ公開

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(1) 学生局(OfS)、大学院AI大学院コンバージョン・コースに810万ポンドの助成を発表、卒業生の多様性増加の有望な兆候を評価で発見

 

 2023年11月1日、学生局(Office for Students: OfS)は、人工知能(AI)とデータサイエンスの大学院コンバージョン・コース(Conversion course)※の奨学金に810万ポンドの追加資金を出資し、これらの職業に就く学生の多様性を高めることを発表した。

 2020年4月以降、OfSはAIとデータサイエンスの1,818件の大学院コンバージョン・コースの奨学金のため、大学に1,810万ポンドを配分しており、今回の追加資金810万ポンドによりさらに最大818人の学生がこの奨学金が利用可能となる。このプログラムは、多様性を高め、労働力におけるデジタル・スキルの格差に対処することを目的としており、これらの資格を必要とする職に就く人が過小評価されているグループ(女性、黒人学生、障がいのある学生、社会経済的背景が低い学生)がAIやデータサイエンスを学ぶことを奨励するために設計されている。

 OfSはCareers Research and Advisory Centre(CRAC)に奨学金資金の評価を依頼し、同日に最初の中間報告書が発表され、政府の資金提供の決定に役立った。

 

※コンバージョン・コース(Conversion course)

コンバージョン・コースは、すでに学位を取得した学生が、仕事に就く前の準備として、専門分野を変更して学習する、大学院の職業資格コース。

<参考>

British Council:

https://www.britishcouncil.jp/studyuk/options/higher-education/courses-qualifications

 

【記事全文(英語)】

学生局(Office for Students: OfS):

https://www.officeforstudents.org.uk/news-blog-and-events/press-and-media/ofs-confirms-81-million-boost-for-postgraduate-ai-conversion-courses-as-evaluation-finds-promising-signs-of-increase-in-diversity-of-graduates/

 

 

(2) 首相、新しいAI安全研究所の設立を発表

 

 2023年11月2日、科学、イノベーション、テクノロジー省(Department for Science, Innovation and Technology: DSIT)は、世界初となる新しいタイプのAIの安全性をテストすることを任務とするAI安全研究所を英国で設立することを発表した。

 発表内容の概要は以下のとおり。

 ●AI安全性における世界のリーダーとしての英国の地位を固めるため、政府がAI安全性研究所の計画を発表した。

 ●新しい拠点は、米国、シンガポール、Google DeepMindなどの主要なAI企業や国家がこの研究所との提携に同意し、AIの安全な開発に関する国際協力の促進を助ける。

 ●AI安全性研究所は、2日間にわたるAI安全に関する取り組みへの称賛を受け、英国を代表するフロンティアAIタスクフォースを恒久的な地位に置く。

 

【記事全文(英語)】

GOV.UK:

https://www.gov.uk/government/news/prime-minister-launches-new-ai-safety-institute

 

 

(3) 反組合法により、公正な賃金と労働条件を求める大学職員のストライキが阻止される

 

 2023年11月6日 、大学組合(University and College Union:UCU)は、反民主的な労働組合法が給与や労働条件をめぐってストライキに投票した組合員の希望を挫いているとして批判している。

 UCUの140大学の会員の3分の2以上(68%)がストライキ実施に投票し、4分の3(75%)が他の形態の争議行為をとることを支持したにもかかわらず、制限の厳しい労働組合法のためにストライキは実施できない。

 この投票は、大学の代表である英国大学・カレッジ雇用者組合(University and Colleges Employers Association:UCEA)が、UCU組合員の圧倒的多数が拒否票を投じたにもかかわらず、インフレ率を下回る賃金提示を課したことを受けて行われた。高等教育の給与は2009年以来、実質ベースで30%減少している。

 

【記事全文(英語)】

大学組合(University and College Union: UCU):

https://www.ucu.org.uk/article/13271/Anti-union-laws-stop-university-staff-striking-for-fair-pay--conditions

 

 

(4) REF2021のインパクト事例のデータ強化と分析

 

 2023年11月9日、UKリサーチ・イノベーション(UK Research and Innovation: UKRI)と英国の4つの高等教育資金提供機関に代わって作成された報告書を発表した。この報告書では、REF2021Research Excellence Framework(REF)への提出資料の一部として各機関が開発したインパクトケーススタディ(Impact case studies: ICSs)を詳細に検証している。

 

 REF2014とREF2021では、学術界を超えた研究インパクトを評価するためにICSsが使用された。これらの文書は、プロジェクトのインパクトとその土台となる研究を詳細に説明している。本日発表された研究では、これらのICSsを分析し、そのインパクトの性質と受益者を調査し、研究と英国政府の優先政策分野との関係を調査した。

 

報告書からの主な発見

〇英国の高等教育機関は社会に多大な影響を与えてきた

〇インパクトは世界的、国内的、そして地方に及んだ

〇研究は様々なグループに恩恵をもたらした

〇分析により、ICSs間で学際性と共同研究レベルが異なることが明らかになった

〇ICSsは引用度の高い研究によって支えられている

 

 ●スコットランドの場合

 次の新しい3つの報告書が、スコットランドの大学の研究がスコットランドのみならず世界各地の人々の生活にどのような恩恵をもたらしているかの洞察を提供している。

〇Impacts of research from Scottish universities: Analysis of the REF 2021 ICS by RAND

〇The economic impact of university research funding in Scotland by Fraser of Allander Institute

〇The bedrock of university research: SCF’s research excellence grant

リンク:https://www.sfc.ac.uk/research-innovation/research-impact/

 ●ウェールズの場合

報告書「The impacts of research from Welsh universities」:https://www.learnedsociety.wales/wp-content/uploads/2023/10/The-impacts-of-research-from-Welsh-universities-Final.pdf

 

【記事全文(英語)】

UKリサーチ・イノベーション(UK Research and Innovation: UKRI)https://www.ukri.org/news/data-enhancement-and-analysis-of-the-ref-2021-impact-case-studies/

 

 

(5) 高技能職のロンドンへの集中は、他の地域の卒業生が教育を十分に活用できないことを意味する

 2023年11月13日、英財政研究所( Institute for Fiscal Studies: IFS)は、新しい報告書を発表し、現在の英国の経済地理は国全体の社会的流動性と効果的な人材の活用を制限しているとした。

 ロンドン以外で大学教育を受けた労働者の42%が学位を必要としない仕事に従事しており、これは1993年の31%から上昇している。この割合の最も高い場所はリンカンシャー州とカンブリア州で、これらの地域では大学卒業者の半分以上は学位取得の要件がない仕事に就いている。(それぞれ58%と52%)

 これらは、IFS Deaton Review of Inequalitiesの以前の調査に基づき、労働市場の長期傾向の地理的影響を調査する新しい報告書の結果の一つである。

 この調査で、伝統的に中賃金の職業が全国的に減少し、低賃金と高賃金の両方の職業が相対的に増加していること(しばしば「空洞化」と呼ばれる)が、国全体で大きく異なった展開をしていることが明らかになった。

 

報告書「The changing geography of jobs」:

https://ifs.org.uk/sites/default/files/2023-11/IFS-R286-The-changing-geography-of-jobs%20%281%29.pdf

 

【記事全文(英語)】

英財政研究所( Institute for Fiscal Studies: IFS)

https://ifs.org.uk/news/increasing-concentration-high-skilled-jobs-london-means-graduates-elsewhere-cannot-fully

 

 

(6) 首相が内閣人事改造を行う中、教育大臣が辞任

 2023年11月13日、Research Professional Newsは、同日行われた内閣人事改造について、内務大臣Suella Braverman氏と教育大臣Nick Gibb氏の退任と、後任として外務大臣に元首相David Cameron氏と内務大臣にJames Cleverley氏が任命されたことを報じた。保健省と環境省にも変化があった。科学、イノベーション、テクノロジー省の大臣George Freeman氏も退任した。

 

Research Professional News:

https://www.researchprofessionalnews.com/rr-news-uk-politics-2023-11-education-minister-out-as-pm-instigates-reshuffle/

 

関連記事

①2023年11月14日 Science Business: UK science minister George Freeman quits (英国教育担当大臣George Freeman氏、辞任)

https://sciencebusiness.net/news/international-news/uk-science-minister-george-freeman-quits

 

②2023年11月15日 Pie news: UK gov’t reshuffle “welcomed” by sector (英国政府内閣再編成は各業界から「歓迎」の声)

https://thepienews.com/news/immigration/uk-gov-reshuffle-welcomed-sector/

 

 

(7) 英国の大学は留学生を確保するために数百ポンドをエージェントに支払っている

 

 2023年11月18日、Guardian紙は、大学が海外からの収入にますます依存するようになり、学生誘致産業が急速に拡大していることを報じた。

 教育エージェントは英国の大学に留学生を斡旋することで記録的な手数料を受け取っており、ある教育機関では昨年だけで2,800万ポンドをエージェントの手数料と関連費用に費やした。過去1年間で、英国のスポンサー付き留学ビザの発給は前年比で23パーセント増加し、2019年の2倍となった。最近のGuardian紙の分析によると、英国の大学の収入の5分の1は留学生によるものだという。

 英国の大学に対する情報公開請求によって明らかになったデータによれば、多くの大学がエージェントに対しての支出の増額を報告している。エージェントは一般的に、学生ごとに定額または初年度のコース料金の一部の紹介料を受け取っており、これにより学生1人当たりの手数料は2,000ポンドから8,000ポンドに上ることもある。

 

 ただし、エージェントへの依存は非倫理的行為の疑いに対する懸念も高めているとされ、インセンティブを理由に学生が特定のコースに誘導したなどの報告もある。この問題に対処するため、元大学大臣のJo Johnson卿は学生局(Office for Students: OfS)に対し、エージェントの登録簿を維持し、エージェントごとにビザ拒否やコース修了率などの実績データを公開するよう求めた。

 

【記事全文(英語)】

The Guardian:

https://www.theguardian.com/education/2023/nov/18/uk-universities-paying-millions-in-agent-fees-to-secure-international-students

 

 

(8) 大学のスピンアウトに関する独立レビューが発表される 

 2023年11月21日、UKリサーチ・イノベーション(UK Research Innovation: UKRI)は、大学発のスピンアウト企業に関するレビューの最終報告書を発表した。

 このレビューは、英国の大学がスピンアウト企業をどのように展開しているかを調査し、英国が大学研究を商業的成功に導く上で世界をリードするための適切なインセンティブを確保するための提言を行っている。

 このレビューは、財務大臣と科学、イノベーション、テクノロジー省大臣からの要請により、Irene Tracey 教授と、Andrew Williamson 博士が独自に主導したものである。

 

<レビュー>

 「Independent review of university spin-out companies」:

 https://www.gov.uk/government/publications/independent-review-of-university-spin-out-companies

 

【記事全文(英語)】

UKリサーチ・イノベーション(UK Research Innovation: UKRI):

https://www.ukri.org/news/ukri-welcomes-independent-review-of-university-spin-outs/

 

 

(9) 最大規模の年次調査が大学院研究者の満足度に注目

 

 2023年11月22日、Advance HEは報告書を発表し、それによると研究文化の重要な要素の改善を示していると同時に、新たな証拠により帰属意識のギャップが浮き彫りとなったとした。このレポートによると、10人中8人は所属機関での経験に満足しているが、全体的な満足度はやや低下している。

 2023年の大学院研究経験調査(Postgraduate Research Experience Survey: PRES)では機関の研究文化の主要な尺度における満足度の様々な向上を強調している。しかし、大学院での研究経験の全体的な満足度は2022年の80%から今年79%へとわずかに減少した。これは満足度が2013年の82%から2023年の79%まで減少傾向にあることを反映している。

 この調査は、このセクターで最大の年次調査で、今年は105の機関(オーストラリアの4機関を含む)から37,000以上の回答を集めた。

 また、調査ではオンラインでの作業や異なる民族の間で満足度に差があることなどが示された。

 

<報告書>

「Postgraduate Research Experience Survey 2023」

https://advance-he.ac.uk/knowledge-hub/postgraduate-research-experience-survey-2023

 

【記事全文(英語)】

Advance HE:

https://www.advance-he.ac.uk/news-and-views/largest-annual-survey-shines-light-satisfaction-rates-among-postgraduate-researchers

 

 

(10)財務大臣の2023年秋期財政報告書(Autumn Statement)は、科学、イノベーション、技術を支持

 

 2023年11月23日 、科学、イノベーション、テクノロジー省(Department for Science, Innovation and Technology: DSIT)は前日(11月22日水曜日)に発表された2023年秋期財政報告書(Autumn Statement)において、コンピューティングから量子、ライフサイエンス、イノベーション促進規制にいたるまでの数億ポンド相当の措置を発表した。

 今回の秋期財政報告書では、より強力で回復力のある経済を目指した労働者と英国企業への税制優遇策が目玉となった。年間200億ポンドの企業投資増加や就労促進、2,900万人の労働者への減税などが盛り込まれ、1980年代以降最大の労働税減税となる。

 科学、イノベーション、テクノロジーの分野では、新たに5億ポンドがコンピューティングにおける人工知能(AI)への投資に充てられる。

 さらに、5つの新しい量子ミッションが発表され、学術界、産業界、民間投資家が量子センシングをNHSに組み込むといった重要なマイルストーン達成に向けての動機づけが行われた。

 また、新たな資金調達によって企業の規模拡大を支援し、「スピンアウト」企業に対する出資に関するルールを明確化し、新たな規制のサンドボックス制度※によってイノベーションを促進する規制を強化することで、安全基準を満たす新製品、サービス、ビジネスモデルを試験的に導入し、創造性と技術的進歩を促進する。

 

 

※規制のサンドボックス制度

規制のサンドボックス制度とは、IoT、ブロックチェーン、ロボット等の新たな技術の実用化や、プラットフォーマー型ビジネス、シェアリングエコノミーなどの新たなビジネスモデルの実施が、現行規制との関係で困難である場合に、新しい技術やビジネスモデルの社会実装に向け、事業者の申請に基づき、規制官庁の認定を受けた実証を行い、実証により得られた情報やデータを用いて規制の見直しに繋げていく制度。

 

<参考>

内閣官房ウェブサイト:

https://www.cas.go.jp/jp/seisaku/s-portal/regulatorysandbox.html

 

【記事全文(英語)】

GOV.UK:

https://www.gov.uk/government/news/science-innovation-and-technology-backed-in-chancellors-2023-autumn-statement

 

 

(11) 高等教育機関における人材の定着に関して議論が必要

 

 2023年11月28日、高等教育政策研究所(Higher Education Policy Institute: HEPI)にTechnologyOne の最高責任者であるLeo Hanna氏が寄稿した。

 大学は困難な状況にある。高等教育への需要はますます高まっており、多くの若者が大学教育の価値を認識しているが、大学のトップたちは学生が受けるべき質の高い経験を提供するスタッフが減っていると述べている。我々はこの問題の理解をさらに深めるため、高等教育統計局(Higher Education Statistics Agency: HESA)と英国統計局(Office for National Statistics: ONS)のデータに基づき、2014/15学事年度から2021/22学事年度までの雇用統計を調査した。

 結果はかなり深刻で、2014年以降、英国の大学教員の15,000人以上が離職し、学生数が40万人以上増加したため、学生対職員の比率が劇的に上昇している。UCASは、高等教育への進学希望者は2022年の75万人程度に対して2028年には100万人に達すると予想している。つまり教育に数千ポンドを支払う大学生は、大学教員の流失のためにますます混雑したクラスを経験することになる。

 事実として、大学全体が全体的な職員数の減少に取り組まなければならない。研究者は給与や年金が生活費に追いつかず、業界から追い出されている。ONSの給与とインフレのデータをさらに分析すると、2014年以降、実際の賃金は30%近く低下していることが分かる。また、我々が話を聞いた多くの大学は、人員、資金、リソースが不足していると感じており、新しい働き方を見出したり、システムを最新のものにしたりする必要がかつてないほど高まっている。

 英国の高等教育機関は世界でも優秀な分野の一つである。厳しい経済期状況の中で、大学はその地位を維持するため抜本的解決策を打ち出す必要がある。

 

【記事全文(英語)】

高等教育政策研究所(Higher Education Policy Institute: HEPI):

https://www.hepi.ac.uk/2023/11/28/we-need-to-talk-about-staff-retention-in-the-sector/

 

 

(12)大学院座学学生の満足度はこの8年間で最高を記録

 2023年11月29日、Advance HEの2023年大学院座学学生経験に関する調査(Postgraduate Taught Experience Survey 2023)の結果によると、総合的な満足度はパンデミック後も回復が続いており、特に留学生の満足度が高いことが示された。

 新しい報告書によれば、座学コースで教育を受けている大学院生のうち8割以上が総合的な経験に満足していると報告された。全体的な満足度はCovid-19関連での落ち込みから完全に回復し、2016年以来の最高水準となっている。

 Advance HEの2023年大学院座学学生経験に関する調査は英国全土の101機関で約84,000人の大学院教育を受けている学生からの回答を基にしている。

 

<報告書>

「Postgraduate Taught Experience Survey 2023」:

https://www.advance-he.ac.uk/knowledge-hub/postgraduate-taught-experience-survey-2023

 

【記事全文(英語)】

Advance HE:

https://www.advance-he.ac.uk/news-and-views/satisfaction-rates-among-postgraduate-students-taught-courses-are-their-highest

 

 

(13)英国高等教育機関データ:財務-2022/23学事年度オープンデータ公開

 

 2023年11月30日、高等教育統計局 (Higher Education Statistics Agency: HESA)が英国の高等教育機関59件の財務データをウェブサイトで公開した。

  今回公開されたデータは会計年度末日が2022年8月1日から2022年12月31日までの間のイングランドの高等教育機関のもので、これらの機関の多くは、少数の科目に特化している非伝統的な高等教育機関である。

 これら59の機関は、2022/23学事年度に10億5,000万ポンドの総収入があり、そのうちの大部分(39機関)の収入が1,000万ポンド未満と報告されている。これらの合計収入の74%は授業料収入だが、割合は個々の機関によって0%から100%までと異なる。

 これら59の機関の総支出は9億9,700万ポンドで、半数以上の機関(31機関)は今年黒字を報告している。

 この発表には、これらの機関の収支のみならず、貸借対照表、キャッシュフロー、資本支出に関する新しいデータも含まれている。これらのほとんどの機関の上級職員の給与に関する情報も記載されている。データは学生局(Office for Students: OfS)によって収集された。

 ウェールズ、スコットランド、北アイルランドの高等教育機関を含む、2022/2023学事年度の多くの高等教育機関(年度末日が2023年1月1日から2023年7月31日までのもの)の財務データ2024年春に公開予定である。

 

【記事全文(英語)】

高等教育統計局 (Higher Education Statistics Agency: HESA):

https://www.hesa.ac.uk/news/30-11-2023/he-provider-data-finance-release-202223